2012年03月

2012年03月29日

『1Q84』を購入!!

別の用事で所沢の西武に行ったのだが、ここに行けば当然のように寄ることになるだろうという池田書店。
ふらふらっと店内をまわると『1Q84』のBook1の文庫版(前編・後編)が平積みされていた。
「あれっ」と思ったが、その「あれっ」が「あっ、そうか」に変わる。
今日は3月29日である。
予告されていた『1Q84』のBook1の文庫版(前編・後編)の発売日は3月28日。
本屋さんに平積みされていても何も不思議はないのである。
ということで、『1Q84』を購入した。

『1Q84 1・Book1前編』 村上春樹・著

『1Q84 2・Book1後編』 村上春樹・著

読み始めるのがいつになるかは不明だが、楽しみが、また、増えたことだけは確かである。


#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-04-04に投稿した。

手帳購入

ここのところ定番になっている手帳を購入した。
CLUB ONのポイントが有効期限切れになるという案内メールを頂いたので、それを消化する目的で地元の所沢西武に入っているLOFTで購入。


ペイジェム ウィークリー15。
9840 プラチナホワイト。
4月始まりで日曜始まりの日本人好みのフォーマット。

【日本能率協会】【2012年4月始まり】ペイジェム ウィークリー15 (プラチナホワイト)[9840] 【日本能率協会】【2012年4月始まり】ペイジェム ウィークリー15 (プラチナホワイト)[9840]

中身はこんな感じである。

昔ながらの1月始まりの手帳と違って、年度で管理できるところが使いやすいと思う。
最近はやりの『月曜始まり』か、この手帳のように『日曜始まり』かは、個人の好みに寄るところだ。
最近では「欧米では『月曜始まり』が普通である」と、欧米の習慣を取り入れる風潮がある。
しかし、日本では昔からカレンダーといえば『日曜始まり』であったし、どうも月曜始まりは感覚的に認識しくいのでわたしは『日曜始まり』が気に入っている。

ということで、この『ペイジェム ウィークリー15』は、ここのところ2、3年は、わたしのお気に入りになっている。

#最初の方は型番違いの水色だったと思う。


#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-04-09に投稿した。

2012年03月27日

『語り女たち』を読了!!

北村薫氏の『語り女たち』を読み終えた。

『語り女たち』 北村薫・著 『語り女たち』 北村薫・著

日本版・アラビアンナイトのような作品。

いくつもある作品の中で、今も印象に残っている作品をひとつ紹介して今回の記事を終えようと思う。

『水虎』という作品があるのだけれど、『水虎』とは『河童』のことをいう。
そして、世の中に結構多くが交わっているという『水虎』。
自分の勤める会社に入ってきた水くんというちょっと変わった新入社員。
このものがたりの『語り女』である女性が語ったはなしによると、この水くんは『水虎』で、しばらく仲良くした後に打ち明けられたあとに、水くんにプロポーズされ結婚したというおはなし。
『夜、眠るときには水を張ったパスの中で眠る』ということがわかったというオチが何とも楽しい。

不思議な感覚が味わえて楽しいおはなしであった。


#情報科教員MTの読書記録・・・・2012-03-25から2012-03-27
                       3日で1回読み終えた。

#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-07-26に投稿した。


2012年03月26日

『Buffalo LS-AV2.0TL/AJ』を購入!!

Buffalo LS-AV2.0TL/AJを購入した。

Buffalo LS-AV2.0TL/AJ Buffalo LS-AV2.0TL/AJ

最近、NASやUSB-HDDに関して、余り、目を向けていなかったのだが、わたしが持っている液晶テレビ(結構古いタイプになってしまったRegza 42Z2000)に正式対応しているNASが発売されていることを知った。
ということで、仕事帰りに新宿のヨドバシカメラに寄って即購入。

その昔、トリッキーな方法でUSB-HDDをNASとして使うようにして録画用に使ったのだが、録画は正しくされるものの再生に問題があって、再生できたりできなかったりで使い物にはならなかった。

今回、購入したBuffalo LS-AV2.0TL/AJは、勿論、録画も再生も問題はない。
ということで、Regza 42Z2000の録画用に使うことにした。
ダビング機能は今のところ、上手くできていない。
Regza 42Z2000では使えない機能だったかな。

今のところ、録画と再生が普通にできていればよいので、まずは問題がない。
2TBあるのでそこそこ使えるだろう。


#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-04-04に投稿した。
続きを読む

2012年03月24日

『はちまん(下)』を読了!!

内田康夫氏の『はちまん(下)』を読み終えた。

『はちまん(下)』 内田康夫・著 『はちまん(下)』 内田康夫・著


大分県の宇佐八幡宮。
ここに集まった宇佐航空隊の仲間と小内香代子との青春時代。
卑弥呼の末裔ともうわさされる小内香代子は、人の未来を見通せる特殊能力を持つ女性で隊員たちの今後をぼやかしながら語っていた。
宇佐の航空隊(特攻隊)の隊長だった大下博太尉と小内香代子の関係。

『八幡の盟約』を交わした宇佐航空隊の8人の仲間たち。

東京都世田谷区碑文谷八幡宮の飯島昭三(この推理小説の殺人事件の被害者だ)。
全国の八幡神社を訪れ、かつての盟友を訪ね歩いている中で事件に遭った老人だ。
亡くなる前に小内美由紀と長野県中野市の小内八幡神社で会っている。

熊本県鹿本群鹿央町の千田聖母八幡宮の元・宮司、清賀老人。
御代田八幡宮宮司の吉永。
秋田県仁賀保町の仁賀保八幡神社の川治良幸。
石川県金沢市安江八幡宮の金久保章。

広島県呉市の亀山神社の鯉田雄作。
広島県三原市の岳御調八幡(だけみつきはちまん)の畠山(故人)。
長野県更埴市の武水別神社の杉岡。
兵庫県三田市の高塚健司。

小内香代子が大内博太尉の遺品として『八紘一宇』の書を預かった清賀老人を除く8人が『八幡の盟約』を交わした人たちである。
50年静かにときを過ごし、50年後の日本が危うい状況の時には、立ち上がろうと誓い合った仲間たちである。

−−−−

長野県中野市の小内八幡神社、飯島老人と小内美由紀が出会ったところ。
浅見光彦は飯島老人の息子(光彦の姪たちの先生)に依頼されて、父親の足跡を追い始める。
次々と八幡の盟約に関係している人たちに迫っていく光彦の洞察力が何とも素晴らしい。

石川県金沢市の金久保代議士(金久保章)はサッカーくじを制度化しようと思っている国会議員だ。
秋田県仁賀保町の仁賀保神社の川治良幸は実業家になっている。

それぞれの人たちが微妙に絡み合っていて、八幡様による縁を感じずには居られないところが、この『はちまん』の最大の魅力だ。

そして、第八の男、高塚健司。
この人も主要な登場人物にしっかりと関連づけられていて、「なるほど」と感心するばかりである。

犯人たちを書くわけにもいかないので、これで終わりにするけれども、ラストシーンはよく練られたもので、小内香代子がそれの結末を既に予知しているところが素晴らしいと思った。

「『八幡の盟約』を守り通そう」という、かつての青年たち(八幡航空隊の隊員たち)に身が引き締まる感じがした。

どれも素晴らしい内田康夫作品の中にあって評価が極めて高い『はちまん』であるが、読んでみてわたしも一番の部類に挙げたい作品になった。



#情報科教員MTの読書記録・・・・2012-03-21から2012-03-24
                       4日で1回読み終えた。

#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-07-26に投稿した。

2012年03月20日

『はちまん(上)』を読了!!

内田康夫氏の『はちまん(上)』を読み終えた。

『はちまん(上)』 内田康夫・著 『はちまん(上)』 内田康夫・著

女性カメラマンである小内美由紀(おうちみゆき)は、自分の名前と同じことに興味を持ち立ち寄った小内八幡(長野県中野市にある)で、美由紀は、全国の八幡神社を捲り歩いているという飯島昭三という老人に会った。
飯島老人は、小内美由紀を見て、「どこかでお会いしたことはありましたか」と聞かれたが、美由紀は「いいえ、ありません」と無碍に否定してしまう。
老人は、美由紀が誰かに似ていると思ったようだが、それ以上は話題にしなかった。
美由紀が自分の本名を『松浦美由紀』と偽って、飯島老人に伝えたので、老人は自分の思い違いだと思ったようだ。

昼食を一緒にしながら、飯島老人から八幡神社の由来などを教えて頂き、美由紀はもっとはなしを聞きたいを思いつつ、飯島老人は他に用事があるようでここで分かれることになる。

別れ際、飯島老人から美由紀は「あなたには、特別な、その、何というか、ふつうの人とは違う何か・・・、尊いものがあるように思えてならないのですが」といわれたことが、妙にこころに残っている。


それで、最初の事件はこのあとに起こるのだが、この飯島老人が何ものかに殺されてしまう。
場所は秋田県由利郡金浦町竹嶋潟(ゆりぐんこのうらちょうたけしまがた)。
金浦町の隣にある仁賀保町の八幡神社にも訪れたらしい。

担当の捜査係長は松本警部補。

飯島老人の息子は飯島弘といい、妻の洋美とともに秋田に向かう。
実は、この飯島弘氏は学校の教員で、浅見光彦の姪っ子の先生である。

姪っ子に頼まれて、飯島老人の事件を解決すべく乗り出してきたのである。

刑事に話しかけていき疎まれるが、例によって、警察関係者が思いもよらないようなことをポンポンと出してきて松本警部補は何となく光彦にこころを寄せる。

場面が変わって、いきなり土佐・高知になる。
最初に出てきた小内美由紀が恋人の松浦勇樹が文部省(現・文部科学省)から高知県に出向になり、彼の元に来ている。
結婚の申し込みを受けているが、今ひとつ踏み切れずにいる状況だ。
そんな中で、飯島老人の死を知り愕然とする。

サッカーくじを実施しようと考えている政治家たち。

松浦勇樹はサッカーくじ導入に反対の立場をとっている男だ。
前任者の安木もなんらかの集団から圧力が掛かり、怪我をしている。

女性カメラマンの小内美由紀は仕事柄、『旅と歴史』の藤田編集長とも懇意なようで、ここで浅見光彦との接点が出てくる。
浅見が第一八幡航空隊に飯島の名前を発見する。
さて、下巻はどうなるのだろう。


#情報科教員MTの読書記録・・・・2012-03-17から2012-03-20
                       4日で1回読み終えた。


#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-07-09に投稿した。

2012年03月16日

『化生の海』を読了!!

内田康夫氏の『化生の海』を読み終えた。

『化生の海』 内田康夫・著 『化生の海』 内田康夫・著

浅見光彦がニッカウヰスキーの工場見学をするシーンからものがたりは始まっている。
その工場で見学担当の美人案内員の須藤恵美が光彦にお願いをして呼んだものである(須藤恵美は浅見光彦の大学時代の友人の妹)。
おなじく美人というより可愛らしい感じの後輩である三井所園子(みいしょそのこ)を光彦の案内担当としてつけるという設定がされている。
例えば、ニッカウヰスキーの竹鶴政孝が余市でウイスキーを開発する過程のような『他の見学者が興味を示さないようなところ』に興味を示すことや、竹鶴政孝の妻、リタ婦人が亡くなるくだりで涙する浅見光彦を見て、好意を持つ三井所園子。
見学者に対する説明のあとで、ここに光彦が来た真意を知り、園子は次のようなことを話す。

三井所園子の大学入学資金を調達をするといって出て行ったまま失踪し、その後死体で発見された父の三井所剛史(みいしょたけし)を殺した犯人を見つける出してほしいうということ。
これが、浅見光彦に課せられた今回の課題である。

手掛かりは人形の底に『卯』と刻印された、博多人形のような『鎧兜の武者人形(金太郎人形?)』。

もう一つのキーワードは『北前船』ということになろう。

その他、『余市』、『松前』、『函館』などいう地名が、読者であるわたしの興味を膨らませる。

途中で紹介される『三井所剛史の作文』は、昭和40年の作文コンクールのために書かれたというもので、当時の入賞作品なのだが、孤児であった三井所剛史の、自分の母に対する思いが伝わってきて思わず目頭が熱くなる。
中学2年製の時の作文だが名文である(内田康夫氏が書いたのだから当然なのだが、読んでみた読者は光彦のように胸に迫るものがあるだろう)。

この作文の中に書かれていたのが『何でもだかの背中におんぶされながら、まっすぐな長い石段を見上げていたことは記憶している』という2歳くらいのときの記憶だ。
この作文に書かれたこの記憶が、浅見光彦の調査や推論に後で活きてくる。

−−−−−

その他の主な登場人物は次のとおり。

小林部長刑事。

深草千尋(宇戸佳代)とその弟の宇戸武三。宇戸一族の人びと。

深草千尋と、お手伝いの飛澤トミ。
飛澤トミと、実はその兄の角谷松次郎(すみたにまつじろう)老人。
角谷松次郎老人は、三井所剛史殺人事件の第1発見者でもある。
小林部長刑事に連れられて角谷松次郎老人を訪ねた浅見光彦が最初に質問した内容が、「そのときの海の色は何色でしたか」というものであり、警察の人間が訊かないようなところから切り込んでいくところが何とも凄い。
角谷松次郎老人もその質問に思わず、素晴らしい質問だと感じ入り、どんどんそのときの状況を話していく。
読者にとっては、このようなちょっとしたところに浅見光彦の魅力があるわけである。

北海道新聞の木谷洋史(きやひろし)記者。
山科記者と鎌田晴江(かまたはるえ)。
山崎記者は、第2の殺人事件で被害者となる男である。

−−−−−

津屋崎人形を追って九州へ。
北海道の、余市から松前に、そして北海道を飛び出して遙か南の九州、津屋崎まで調査に出かけてしまうところも魅力的だ。
単なる『卯』の刻印がある武者人形から、津屋崎人形という具体的な人形の種類にたどり着き、それを確かめるためにどんどん行動を起こしていくのは、新聞社の過去記事の中から三井所剛史の作文にたどり着き、そこに書かれていた『何でもだかの背中におんぶされながら、まっすぐな長い石段を見上げていたことは記憶している』という2歳くらいのときの記憶から、その場所を特定していく過程と同じだ。


ポンポンと舞台が変わり、浅見光彦や三井所園子がそこを訪れ、事件の真相に迫っていくところが、何とも興味深い。
読み進めていく過程で、その結末はある程度予想が立ってくるが、あまりにも切ない。




#情報科教員MTの読書記録・・・・2012--03-11から2012--03-16
                      6日で1回読み終えた。

#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-07-09に投稿した。

2012年03月10日

『華の下にて』を読了!!

内田康夫氏の『華の下にて』を読み終えた。

『華の下にて』 内田康夫・著 『華の下にて』 内田康夫・著

最近、内田康夫に再びはまっている。
その昔、KOSAIDO BLUE BOOKS、カッパ・ノベルスやカドカワ・ノベルス、講談社ノベルス、TOKUMA NOVELS、C★NOVELSなどという新書タイプのシリーズで読んでいた。
50作品くらいまでは、だいたいその都度買っていて結構読んでいたと思う(ポツポツと抜けはあるけれど・・・)。
疎遠になっていったのは、1991年(平成03年)の映画版・『天河殺人事件』の後くらいだろうか。
Wikipediaによると、『火曜サスペンス劇場』で水谷豊氏が浅見光彦を演じたのが『1987年9月8日 - 1990年7月3日』ということらしいが、作品を読んでイメージしていた浅見光彦と、水谷豊氏演ずる浅見光彦かなりダブっていた(想像通りという意味)。
原作者の内田康夫氏は、水谷豊の浅見光彦は自分でイメージしていたものとは違っていたとのことで、番組は打ち切りになってしまったということを『浅見光彦へのラブレター』で知った。

その後、榎木孝明氏やいろいろな役者さんが演じているが、わたしの中ではベストイメージは水谷豊氏演ずる浅見光彦である(『浅見光彦へのラブレター』の作者の方も同意見だとのこと)。
内田康夫氏お気に入りの浅見光彦像は榎木孝明氏演ずる浅見光彦ということらしい。

作家のイメージしている浅見光彦と、読者のイメージしている浅見光彦で、これほど違うのだということに驚いた記憶がある。

ということで、前置きが長くなったが『華の下にて』である。

プロローグでは、嵐の中の山小屋にずぶ濡れの女が入ってきて、元から山小屋にいた男と間にに起こるラブロマンスからはなしが始まっている。
男が活けた花が山小屋に飾ってあったのだが、女はそれを見て、「(男の人が活けたのなんて驚きだけれど)でも、すてきだわ」とほめている。
美しいが魔性を感じさせる女性で、事実、朝起きてみるとその女は本当にいたのだろうかと思えるように忽然と消えている。

この男、牧原は、このとき女にほめられた「でも、すてき」ということばを糧にいて、一念発起し自らの生け花の世界で生きていく精進を重ねる。

時は流れて、牧原は、既に生け花の世界で『日生会』という『自分の世界』を確立している。
独創的な作品で有名日生会であり、旧来からの華道には批判的な牧原だが、生け花に対する思い入れは極めて強い。

事件は京都の国際生け花シンポジウムで面白いことが起こるといっていたライターの高田哲郎が、それを前にして殺されてしまったところから始まる。
舞台は丹正流という華道家元を中心に展開する。
家元の丹野忠慶(奈緒の祖父)、娘婿の丹野博之、貴子夫婦とその娘、奈緒、祖母の真実子。
祖母の真実子は、奈緒は父の博之よりも実力が上で天性の力を持っていると考えている。

そんな中で第2の殺人事件が起こる。
牧原の側近、中瀬がホテルで殺害されてしまうのだ。

牧原と丹生流との関係はいかに、予想はしていたが興味深い。


#情報科教員MTの読書記録・・・・2012-03-07から2012-03-10
                      4日で1回読み終えた。

#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-07-06に投稿した。

2012年03月06日

『遠くの声に耳を澄ませて』を読了!!

宮下奈都氏の『遠くの声に耳を澄ませて』を読み終えた。
わたしにとっては、『スコーレNo.4』に次いで、宮下奈都作品の2作目である。

『遠くの声に耳を澄ませて』 宮下奈都・著 『遠くの声に耳を澄ませて』 宮下奈都・著

アンデスの声
転がる小石
どこにでも猫がいる
秋の転校生
うなぎを追いかけていた男
部屋から始まった
初めての雪
足の速いおじさん
クックブックの五日間
ミルクティー
夕焼けの犬

という11の短編からなる連作短編集である。

『アンデスの声』の瑞穂は、『秋の転校生』の谷川瑞穂。
そして、『白い足袋』の咲子は、又従妹の結婚式に参加しそれに使う足袋を買ってくるように頼まれるのだが、この又従妹は上記2作の登場人物、谷川瑞穂である。

『どこにでも猫がいる』の女性主人公は、かつて自分の恋人だった男性に放浪癖があり、それが原因となって分かれることになる。
男性の子を身籠もっていた女性は、その子と生きる決意をして20年が経っている。
そして、その子も二十歳になって旅立っていくというものがたり。
この女性主人公が住むマンションの管理人兼住人の濱岡老人は、『うなぎを追いかけていた男』の濱岡研究員。
そして、『クックブックのの五日間』の料理研究家・碓井の30年以上前の思い出の人は同じく濱岡研究員。
『転がる小石』の陽子ちゃんと梨香さんのうち、梨香さんは、『初めての雪』で級友の子を産む決意をする女性だ。

『夕焼けの犬』では、濱岡老人の四十九日の話が出てくる切ないはなしだ。
『うなぎを追いかけた男』や『夕焼けの犬』の蔵ちゃんこと蔵原さんは、『部屋から始まった』の佐和ちゃん(蔵原佐和子)の姉。

『秋の転校生』のみのりに疑われている佐和子は上に登場している蔵原佐和子である。

こんな感じで、普通のひとの普通の暮らしが書かれている短いおはなしが、微妙に絡んでいるところが楽しい。

特に人物像は書いていないが、みのりみたいな生き方は好きだ。



#情報科教員MTの読書記録・・・・2012-03-05から2012-03-06
                       2日で1回読み終えた。

#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-07-03に投稿した。




2012年03月04日

『青い鳥』を読了!!

重松清氏の『青い鳥』を読み終えた。

『青い鳥』 重松清・著 『青い鳥』 重松清・著

『青い鳥』 DVD版(重松清・原作)

国語の先生なのだけれども、強度の吃音で教科の指導は中々思うようにはいかない村内先生のものがたり。
いや、主人公はそれぞれの生徒たちなのだろうけれど・・・・。
カウンセラーではないのだけれども、カウンセラーのような役割をしている村内先生。

『ハンカチ』の千葉知子、『ひむりーる独唱』の斉藤くん、『おまもり』の清水ちゃん、『青い鳥』の野口、『静かな楽隊』のあやちゃん、『拝啓ねずみ大王さま』の富田くん、『進路は北へ』の古川翔子さん、『カッコウの卵』のてっちゃん(とその妻・智恵子)。
どこの学校にでもいそうな、ちょっと問題を抱えている生徒と関わって、そのこころの負担を少し軽くする。

「こんなふうに、そばにいてくれるんだよ」

というのは、てっちゃんの『村内』評。


#情報科教員MTの読書記録・・・・2011-12-03-04から2011-12-03-07
                       4日で1回読み終えた。

#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-07-02に投稿した。


2012年03月03日

『あの歌がきこえる』を読了!!

重松清氏の『あの歌がきこえる』を読み終えた。

『あの歌がきこえる』 重松清・著 『あの歌がきこえる』 重松清・著

いつかた街であったなら
戦争を知らない子供たち
案山子
旅人よ

など、『古き、よき時代』に流行った歌のタイトルをお題にして、その時代を中学生として生きているコウジとヤスオを中心にしたものがたり。

その中のひとつ、『風を感じて』の、教育実習生、吉田さん(サングラスで教育実習をする有り得ない男子大学生)と千晶さん(浜松千晶:清楚な感じの女子大生)、その昔この中学校(教育実習先の学校)の吹奏楽部の先輩と後輩という関係、そしてお互いに好意を抱いていた関係のふたり。
中学生を巻き込んでのドラマを展開するふたり。
音楽室で弾いていたヤスオのギターを聴いて拍手をしてくれた千晶さん。
千晶さんが出て行った後に入ってきて、ヤスオに「上手いじゃないか」といいより、ヤスオに自分のギター・テクを披露し、教える吉田さん。無茶苦茶上手いのだ。

吉田さんに弟子入りするヤスオ。

ラストで最終日の挨拶で全校生徒に向かって、吉田さんがギターを披露するというシーンがある。
このときひとりだけしっかりとした拍手をする千晶さんがいるのだか、何か素敵なシーンだ。
ありそうもないはなしだけれども、そんなことは関係ない、
それぞれ素晴らしいけれども、その中でも特に『何となく好きなおはなし』であった。



#情報科教員MTの読書記録・・・・2012-03-01から2012-03-03
                       3日で1回読み終えた。

#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-07-02に投稿した。


2012年03月01日

2012年02月に読んだ本たち

2012年02月に読んだ本たちを一覧してみた。

『武士道エイティーン』を読了!!(2012-02-14)
『ダナエ』を読了!!(2012-02-16)
『きみの友だち』を読了!!(2012-02-24)
『星に願いを−さつき断景−』を読了!!(2012-02-29)


1ヶ月で4冊読み終えた。


#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2012-06-06に投稿した。

楽天市場
Recent Comments
MT
杉並区にある文化女子大学附属杉並中学校・高等学校で情報科教員をしていた津久井 大(まさる)と申します。
2019年3月に定年後、1年間雇用延長で働き、2020年4月から完全にリタイアしました。

従って正確には『元・情報科教員MTのBlog』ということになりますが、タイトルはこのままにしてあります。

元々は理科教員で、暫く理科と情報科の兼任をしていましたが、教育制度に則った情報科ができた2003年に情報科のみを教えることになりました。
my_twitter
@mtsinfodl