2013年07月14日

『キケン』を読了!!

有川浩氏の『キケン』を読み終えた。

『キケン』 有川浩・著 『キケン』 有川浩・著

中高生に大人気の有川浩氏。
その最新刊(わたしの場合は文庫版での最新刊という意味)が出されたので、買ってきた。
先日、立て続けに有川浩作品を読んだし、個人的にもお気に入りの作家さんの一人であるので、有川浩作品は結構読んでいる。
大人が読んでも実に楽しい。

宮本輝氏の作品は先が気になってグイグイ引っ張られて、読まされてしまうということを以前書いたが、有川浩作品も同様である。
勿論、作風やジャンルは全く違うのだが、作品のスピード感(展開の速さ)に乗せられて、グイグイと引っ張られてしまうのは全く同じである。

というわけで、今回の『キケン』も楽しく過ごすことができた。

だいたい『キケン』とカタカナでタイトルが書かれているが、小さい文字で書かれたサブタイトルなどわたしには黒い塊にしか見えなかった。
単行本が出たときも、『キケン』という作品が出たけれど、中はパラパラやった記憶がない(文庫版が出るまでの楽しみのとっておいたという感じだろうか・・・)。

『自衛隊もの』などのように、何らかの危険を伴うものがたりなのだろうなどと、勝手なイメージを膨らませていた。
今回、買ってみて、いろいろとじっくり眺めて「ハハーン、こういう作品だったのか」と納得をした。


『成南電気工科大学機械制御研究部』。

略して『キケン(機研)』。

ある年度の部長・上野直也(うえのなおや)、副部長の大神宏明(おおがみひろあき)、そして新入生の元山高彦(もとやまたかひこ)、池谷悟(いけたにさとる)、そのほかの新入生メンバーが繰り広げる学園ドラマ。
上野も大神もちょっと危険な感じのするキャラクターである。

工科大学なので男がほとんどの大学であり、今までの有川浩作品に登場する自衛隊ものと舞台は変わらない感じである。

この中での大神の恋と失恋事件、学園祭での『ラーメン・キケン』、地域主催のロボット相撲大会のはなしなどが続く。

『奇跡の味』が売り物の『ラーメン・キケン』だが、これまで、味には波があった。
今年は実家が飲食店の元山の大活躍で『今年は全日奇跡の味』である。
更に、今年はPC研ががラーメン販売に参戦しバトルに・・・。
目が離せない展開になってくる。

実は、これらのはなしは、既に卒業し社会人となった元山が、妻に思い出話を聞かせるという設定ではなしが進んでいる(事実はどうだか、わたしのようなものには分からないが、有川浩氏(女性作家)が旦那様から大学時代の思い出話を聞いてできた作品のような感じがしてくるほど、リアリティがある)。

ラストは、妻とともに元山が成南電気工科大の文化祭を訪れて、自分が作ったレシピが健在であることを知るクライマックスが起こる。
今、ラーメンを作っている『現役の後輩』に促されて行ってみた『302番教室』のイラストにジーンと来たのは、わたしだけではないであろう。



#情報科教員MTの読書記録・・・・2013-07-12から2013-07-14
                     3日で1回読み終えた。

#ここのところネット上への記事投稿が滞っている。
 この記事は実際には2013-08-05 21:51頃に投稿した。


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MT
杉並区にある文化女子大学附属杉並中学校・高等学校で情報科教員をしていた津久井 大(まさる)と申します。
2019年3月に定年後、1年間雇用延長で働き、2020年4月から完全にリタイアしました。

従って正確には『元・情報科教員MTのBlog』ということになりますが、タイトルはこのままにしてあります。

元々は理科教員で、暫く理科と情報科の兼任をしていましたが、教育制度に則った情報科ができた2003年に情報科のみを教えることになりました。
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